「これ、まだ使うかもしれないから」。夏休みに入る前、夫と二人で書斎を片付けていたとき、この言葉を何度聞いたかわかりません。夫は自宅で映像編集の仕事をしていて、書斎は夫婦の仕事部屋を兼ねています。棚の奥から出てくるのは、型番が印刷された白い箱、どの機器のものか分からないACアダプター、輪ゴムでまとめたケーブルの束。私が前に使っていたノートパソコンまで出てきたときには、二人で顔を見合わせてしまいました。
こんにちは、「暮らしを整える買取ノート」のみのりです。在宅ワークが当たり前になってから、パソコンまわりの機器は少しずつ新しくなっていくのに、古いほうはなかなか家から出ていかないんですよね。わが家の書斎も、気づけば「念のため」の置き場所になっていました。
この記事では、書斎に眠っている機器のなかから値段がつきそうな「お宝」を見つける方法と、売る前に必ず済ませておきたいデータ消去や初期化、そして値段がつかなかったものの手放し方までをまとめます。心配性の私が実際に調べて、つまずいたところも正直に書いていきますね。
目次
在宅ワークの数年で、書斎に「念のため」がたまっていた
片付けを始めて最初に分かったのは、書斎にあるモノの多くが「壊れていないけれど使っていない」状態だったことです。ネット回線を乗り換えたときに外した無線LANルーター、容量が足りなくなって買い替えた夫の古いNAS(ネットワークにつなぐハードディスク)、編集データの持ち運びに使っていた外付けSSD。私の前のノートパソコンと、娘が動画を見るのに使っていたタブレットもありました。デスクの下からはサブで使っていた液晶ディスプレイ、引き出しからは買い替える前のキーボードとマウスが出てきて、ケーブルは衣装ケースひとつ分です。
在宅ワークの機器がたまりやすいのは、仕事が止まるのが怖いからだと思います。ルーターが壊れたら困るし、編集の途中でストレージが動かなくなったらもっと困る。そう考えると、古い機器を予備として取っておきたくなる気持ちはよく分かります。ただ、予備が三つも四つもあっても、実際に使うのはせいぜい一つです。整理収納アドバイザーとして私がおすすめしているのは、「予備は一つまで」と先に決めてしまうこと。わが家もこのルールで、夫と相談しながら残すものを一つずつ選んでいきました。
「お宝」かどうかは、型番と付属品と年数で見分ける
残さないと決めた機器のなかから、売れそうなものを選び分けていきます。私が目安にしたのは、型番がはっきり分かるか、付属品と元箱がそろっているか、買ってから何年たっているかの三つでした。
型番は本体のラベルと箱と保証書で確かめる
型番は、その機器を特定するための名前のようなものです。同じシリーズでも型番が少し違うだけで性能や容量が変わるので、売るときにはまずここを確かめます。見る場所は機器によって違うので、片付けのときに作った早見表を載せておきますね。
| 機器 | 型番を確かめる場所 | 一緒に探したいもの |
|---|---|---|
| ノートパソコン | 本体底面のラベル、元箱、保証書 | 純正の電源アダプター |
| デスクトップパソコン | 本体の背面か側面のラベル | 電源ケーブル、同梱のキーボードなど |
| タブレット | 本体背面の表記、設定画面、元箱 | 充電器、ケーブル |
| 無線LANルーター | 本体の底面か背面のラベル、元箱 | 電源アダプター、設定情報シート |
| NAS・外付けストレージ | 本体の底面か背面のラベル、元箱 | 電源アダプター、接続ケーブル |
| 液晶ディスプレイ | 本体背面のラベル | スタンド、映像ケーブル |
パソコンなら、Windowsは「システム情報」、Macは「このMacについて」の画面からも機種を確認できます。ラベルがかすれて読めなかった私の前のノートパソコンも、この方法で機種名が分かりました。
付属品と元箱は「本体の一部」と考える
付属品は、査定のときに思った以上に見られています。純正の電源アダプター、購入時に入っていたLANケーブル、ルーターの設定情報シート、そして元箱。わが家のルーターは、元箱をクローゼットの上の段にしまってあったおかげで、付属品がまとめて残っていました。反対に夫の古いNASは電源アダプターがすぐに見つからず、ケーブルの衣装ケースを二人でひっくり返すことに。この一件があってから、わが家では機器を買ったら付属品を元箱に戻し、箱の側面に購入した年月を書いておくようにしています。付属品や箱が査定にどう響くかは、買取査定額にガッカリしないために。少しでも高く売るための7つのコツでも詳しく書いています。
買ってからの年数が浅いものほど、早めに動く
パソコンまわりの機器は、新しい型番が出るたびに古い型番の値段が下がっていきます。買い替えで余ったばかりのルーターや、数年前のノートパソコンは、しまっておくほど型落ちが進むんですよね。反対に、十年以上前の機器は、売るより処分を考えたほうが早いこともあります。「まだ新しいから、そのうちでいい」と思っているものほど、今日動いたほうが得をします。この考え方はスマホでも同じで、使わなくなったスマホ、家に眠らせておくのは損!価値が下がる前に売るべき理由にもまとめています。
型番がわかったら、売る前に買取価格の目安を調べる
型番がそろったら、次は「いくらくらいになりそうか」を調べます。私が使ったのは、型番から買取価格の目安が分かる型番買取.jpのパソコンのページです。ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレットに加えて、無線LANルーターなどのネットワーク機器、NASや外付けSSDといったストレージ、液晶ディスプレイやキーボード、マウスなどの周辺機器まで、型番から探せるようになっています。会員登録をしなくても見られるので、片付けの手を止めずにスマホで調べられました。
型番ごとのページには、新品未開封・美品・良品・訳ありといった状態別の相場買取価格と、査定で確認されるポイントが載っています。一覧に出ている金額は、新品未開封で付属品がすべてそろっている場合の上限なので、使っていたものはそこから状態に応じて下がると考えておくと安心です。実際の査定額は届いた品物を見て決まるため、あくまで目安として眺めるのがちょうどいい使い方だと思います。
気をつけたいのは、どんな機器でも載っているわけではないことです。掲載されているのは型番のはっきりした現行の製品が中心で、私が見た範囲では、Webカメラやヘッドセットはパソコンのカテゴリに見当たりませんでした。そういったものは、フリマアプリやリサイクルショップなど別の売り先を考えることになります。わが家は、ルーターとNAS、私のノートパソコンを型番で調べてから、どこに出すかを夫婦で決めました。先に目安が分かっていると、「これは手間をかけてでも売る」「これは処分に回す」の線引きがしやすいんですよね。
手放す前に必ずやる、データ消去・初期化・アカウント解除
売り先が決まっても、すぐに箱に詰めるのは待ってください。書斎の機器には、仕事のファイルや家族の写真、Wi-Fiのパスワードまで、思っている以上に私たちの情報が入っています。
パソコン・タブレット・NAS・外付けストレージはデータを消す
総務省の「使わなくなった機器を放置しないようにしよう」によると、データを削除したりハードディスクをフォーマットしたりしただけでは、画面上で消えたように見えてもデータが残っていて、特殊なソフトウェアで復元できてしまうことがあるそうです。同じページでは、SSDはその特性から、ハードディスク用の消去ソフトでは消し切れない場合があることにも触れています。夫の外付けSSDは、SSDに対応した消去の方法を調べてから作業しました。
消す前には、必要なデータを別の場所へ移しておきます。NASは共有フォルダだけでなく、パソコンの自動バックアップ先になっていないかも確認してください。わが家は、夫のパソコンが古いNASに毎晩バックアップを取る設定のままになっていて、新しいNASへの切り替えをあやうく忘れるところでした。
ルーターは設定を控えてから初期化する
ルーターには、プロバイダーの接続設定やWi-Fiの名前(SSID)、暗号化キーが保存されています。新しいルーターで使う設定だけを控えてから、取扱説明書の手順で工場出荷時の状態に戻しましょう。本体のラベルや同梱の設定情報シートには、初期のパスワードが書かれています。フリマアプリに出品するときは、この部分が写真に写り込まないよう気をつけてくださいね。
アカウントの紐付けとロックを外す
もうひとつ忘れやすいのが、アカウントの解除です。Apple製品なら「探す」をオフにしてApple Accountからサインアウトしてから初期化します。Windowsのパソコンも、Microsoftアカウントに登録されたデバイスの一覧から外しておくと安心です。NASやルーターをスマホの管理アプリやメーカーのアカウントに登録していた場合も、登録を外してから初期化します。型番買取.jpでも、データの消去やアカウントの解除、紛失防止機能のロック解除は、発送前に自分で済ませる決まりになっています。
発送の前に、私はこんなメモを作って一つずつ線を引いていきました。
- 必要なデータを別の場所へ移した
- パソコンとタブレットを初期化した
- NASと外付けストレージのデータを消した
- ルーターを工場出荷時の状態に戻した
- 「探す」や管理アプリの登録を外した
- メモリーカードやSIMカードを抜いた
値がつきにくいものは、決められたルートで手放す
調べていくうちに、値段がつかなそうなものもはっきりしてきました。VGAやミニUSBのような古い規格のケーブル、どの機器のものか分からなくなったACアダプター、それからWEPという古い暗号化方式にしか対応していないルーターです。ケーブル単体で買い取ってもらえることはほとんど期待できませんし、WEPについては総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」でも、短時間で解読される方法が見つかっていて使用は推奨しないとされています。こうした機器は、売ることより安全に手放すことを優先しました。
ただ、ケーブルやアダプターをまとめて処分に回す前に、一度だけ仕分けをしておくと安心です。売る予定の機器の純正品は付属品として本体と一緒に送れるので、先に持ち主を探します。アダプター本体に印字された型番や出力の表記を一つずつ見ていくと、行方不明だったNASの電源アダプターもようやく見つかりました。持ち主の分からないものだけを、処分の袋に入れていきます。
処分のときに頼りになるのが、小型家電リサイクルです。環境省の小型家電リサイクル法のパンフレットでは、家庭の電気や電池で動く製品が広く対象になるとされていて、例として電源アダプタも描かれています。ただし、回収する品目は市区町村によって違うので、ケーブル類を回収ボックスに入れてよいかは、お住まいの自治体の案内で確かめてください。同じパンフレットでは、無許可の回収業者を使うと、法律を守った適正な処理がされたか確認できないとも注意しています。街なかを回って「なんでも回収します」と呼びかけている業者に、データの入っていた機器を渡すのは避けたいところです。
値段がつかなかった古いパソコンは、メーカーの回収も使えます。パソコン3R推進協会によると、2003年10月以降に販売された家庭向けパソコンには「PCリサイクルマーク」が貼られていて、このマークがあれば新たな料金を負担せずに廃棄できます。マークのない古い機種は回収再資源化料金がかかるので、まずは本体のラベルを確認してみてくださいね。メーカー回収に出す場合も、データ消去は先に済ませておきます。
まとめ
書斎の片付けは、夫婦で仕事の道具を見直す時間にもなりました。最後に、この記事のポイントを振り返っておきますね。
- 「予備は一つまで」と決めてから、残す機器と手放す機器を分ける
- 型番は本体のラベル、元箱、保証書で確かめ、付属品も一緒に探す
- 型番が分かったら、買取価格の目安を見てから売り先を決める
- 手放す前に、データ消去、ルーターの初期化、アカウントの解除を済ませる
- 値がつかないものは、小型家電リサイクルやメーカー回収で手放す
わが家の書斎は、片付けのあと机の下にケーブルが一本も転がっていない状態になりました。夫は「足が伸ばせると、編集の集中力が違うね」と少し照れたように笑っています。手放した機器のおかげでちょっとしたお小遣いもできましたが、いちばんの収穫は、毎日座る場所が気持ちよくなったことかもしれません。週末に一時間だけでも、書斎の棚の奥をのぞいてみてくださいね。
